一万石の大名の年俸って【円だといくら?】武士の給料の仕組みについて

歴史映画やドラマなどを観ていると、よく耳にする「○○万石の大名」、「○○石の加増」などの「石」という表現。

何となく規模や石高などを表すモノかなぁと思っても、具体的にはピンとこない方も多いかと思います。今回は、石高や当時の給料の仕組みなどについてご紹介したいと思います。

大河ドラマ「真田丸」の中で真田昌幸(草刈正雄)が序盤、「大名になりたいのぉ」とぼやいていたのが笑えましたが、戦国時代は多くの者が

「一国一城の大名に!」

などとスケールの大きい夢を抱きました。

では、大名にはどうやったらなれたのか?
この「大名」という言葉、もともとは大名主からきていると言われています。当初、この大名という言葉には明確な定義はありませんでした。「何となく地方で力を持った武士の事」程度で使われるようになったようですが、次第に多くの所領や部下を持つ武士の意味に変化していきます。

どんな大名になる方法があったのか?

・守護大名

難易度★★
室町時代、幕府より守護職を任ぜられていた者が力を持ち、そのまま領国を支配しまう方法。

つまり、知事を任されていたのに、独立してその国を支配するようになってしまった者のことです。守護職を与えれれていた者限定ですが、大義名分は十分!

例:武田家、今川家など

・戦国大名

難易度★★★★★
応仁の乱で国が乱れたのに乗じて、室町幕府の力が及ばなくなった各地の守護や城を奪って領地を支配する方法。

力や知略によってその国を支配する完全実力主義。誰もが挑戦できますが、知恵と力と運も必要。恨みや蔑みも相当買う場合もあります。

例:織田家、北条家など

・近世大名

難易度★★★★
江戸時代以降の方法ですが、一万石以上の所領を幕府から与えられて晴れて大名になる方法もあります。または藩主などとも呼ばれました。

※一万石以下の者は、「直参」として幕府や大名に仕えました。

一万石以上の所領は相当な手柄が必要ですし、すでに江戸時代には空きが無い状態。どこかの大名家が取り潰されるのを待つしかないですね。

例:井伊家、本多家など

・番外編:国人領主

難易度★★★
国人とは、元々はその国に住む人々を指す意味でしたが、守護や大名の支配が及ばなくなった地域で、独自の支配構造を形成していった者を指すようになります。

多くの国人は鎌倉時代に地頭(警察官のような職)に任ぜられていた者たちがその地域に根付いて自警団のようなモノを組織になっていったようです。大抵の国人はどこかの大名に属してその地域を守ったのですが、力を付けて国を奪ってしまう方法もあったようですね。

例:毛利家、真田家など

・番外編:旗本

難易度★★★
元々の意味は、戦場で大将のいる本陣を守る直属の武士たちを指しましたが、大将が最も信用する直参という意味に派生し、江戸時代には1万石以下の直参の中でも、お目見えや公式行事などに参加が許される格の直参を旗本と呼ぶようになります。

大名ではありませんが、旗本格以上の武士は「殿様」などと呼ばれました。これも相当な手柄が必要ですね。

例:吉良上野介、大岡越前など

石高って何?一万石ってどの位凄い?

石高とは簡単に言うとお米の収穫量です。すごくざっくりした制度なのですが、土地の広さを田畑の広さに換算した場合、どれ位米が獲れるか?ということで何石と決められていたんです。

米以外の産業も全て米に換算されてので、地域によって不公平感はあったと思われます。

一石が大人が一年間に食べるお米の量とされていたので、大体「一石=10斗=100升=1000合」

実際にお米が収穫できたかどうかではなく、土地の広さがあればその石高に応じて納税しなくてはならなかったので、重税感は半端なかったでしょうね・・・。全くお米何て獲れない荒地を100石貰っても、100石×税率(多くは五公五民、四公六民)だったのです。

納税方法は?

時代劇などで農民が米俵を運んで納税するシーンを目にすることも多いと思いますが、武士や町民はどうやって納税していたの?という疑問が湧くかと思います。

ざっくり説明します!
「ほとんど現代と一緒です!」

武士や町人が米俵運んで納税する姿なんて想像できないですよね?

武士は与えられた領地の広さに応じて現金納税をさせられました。自分の領地で治められた米などを現金に換えて納税していたんです。町人も同様で、今で言う住民税のような「町入用」という税金を納めなくてはなりませんでした。

商人は法人税や事業税にあたる小物成りがありました。これは売上高の約5%!結構重税です。利益が出ようが出なかろうが5%・・・

土地の売買などにももちろん税が課せられましたし、何をするにも税金は追いかけてくるんです(>_<)

武士の給料は?

大名(藩主)や直参はその国の石高に応じて税収がありますが、その他の武士はどうやって給料を得ていたのか気になりますよね?

多くの武士は大名家や直参家の家臣としてその家の役職に就く事で給料を貰っていました。役職によって給料は違ったので、一般武士は出世競争も激しかったようです。大名って、今で言うところの会社組織や役所組織みたいなものですね!

石高に応じて課せられた徴兵制度!

各大名家や旗本、直参には納税の他に別の義務もありました。

「軍役令」というものです。

江戸時代、幕府は一万石あたり概ね200人程度の動員を義務付けていました。これもなかなか厳しかったようです。200人の軍人の給料を1万石で養う・・・大出費です。加賀藩100万石は20000人!?財政破綻しますよ!

参勤交代などの大名行列にも、石高に応じて動員人数なども細かく規定されていました。大名も大変だったんです!→超高速参勤交代もおすすめ

武士の給料と貨幣価値

江戸時代のある大名家の家臣給料を例に説明したいと思います。

「知行」や「禄」などとも呼ばれますが、給料は良かったのか?悪かったのか?

前述したように、武士の給料は、土地支給、米支給、現金支給があります。

・土地でもらった者は、その地を治め米による納税を現金に換えて生活していた。

・米でもらった者は、自分で食べる分以外を売って現金に換えて生活していた。

・現金でもらった者は、その現金で生活していた。

家臣たちの給料は、現金換算でどの位だったのか?

<一万石クラスの大名家の年俸> ※現在の現金価値におおよそ換算

一万石の石高       約10億円
(内:税収)       約4億円
軍役義務         200名

藩主の給料        約3500万円
家老格の給料       約6000万円
※大体3名位

藩士の給料        約2億6500万円
※1人あたり年収135万円平均

江戸藩邸の維持費     約2800万
領地の諸経費       約1200万

えー?武士の平均年収135万円!?なのに藩主は3500万円!?

藩主は一門衆や家族、また身の回りの諸経費なども全てポケットマネーであったため、決して楽ではありませんでした。家老格も禄に応じて家臣を雇わなくてはならなかったので苦しかったようです。

問題は・・・藩士たち。平均ということは、役職次第では平均以下の給与の武士もいた訳ですよね。生活が苦しい武士たちは内職で傘貼りなどをして生計を立てていたようです。

「武士は食わねど高楊枝」

腹空かせてたんでしょうねぇ。

 

 

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